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2024年8月 1日 (木)

ふるさとの言葉をつないで~都路の方言ばあちゃん

2024年8月5日~8月11日
ラジオ福島 編成局 小川 栄一

【番組概要】
地域ぐるみで地元の言葉や方言を大切にしている田村市都路町。そこで30年以上に渡って方言を伝承する活動を続けているのが渡辺美智子さん(86)です。地元のお年寄りたちと協力して「都路方言かるた」や「方言集」「民話集」などを作り、地元小学校やこども園での読み聞かせは今も続けています。そんな渡辺さんのふるさとの言葉への思いと、授業などを通じて地元方言を学ぶ子どもたちの取り組みを「都路弁」を散りばめ表現しました。

【制作意図】
福島県の中通りと浜通りの境に位置し、山間部にある都路町は昔からの言葉がいまだ多く残る地域の一つです。しかし、東日本大震災時の東京電力福島第一原子力発電所事故で町の一部に避難指示が出された影響などもあり、町の人口は減少の一途をたどり、今では約1900人と、震災前の3分の2にまで減ってしまいました。唯一残る小学校も全校児童は30人です。そんな都路町に伝わる言葉や方言を絶やさず伝承しようと努めている渡辺さんの取り組みや学校の活動を紹介したく思い取材制作しました。

【制作後記】
福島県で生活して30年近くなり、様々な方言に接してきましたが、今回は取材中に初めて耳にする方言もたくさんありました。中でも、こじる=鳥が抱卵する フッツェ=自然と芽が出る は都路独特の方言で、共通語ではその状況を一言で表現することが難しい言葉です。こういった言葉は身近にそのような現象が多く存在していたからこそ、生まれ、受け継がれてきたわけで、そう考えると、自然豊かな都路にはこれまでどれくらい多くの自然にまつわる方言が存在し、使われていたのだろうかと興味深くなりました。方言を守り伝えることは、ふるさとの生活や文化を後世へ継承することにもつながります。取材を通して方言が持つ大切な役割を学びました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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