44年にわたる名前のない贈りもの
山梨放送 ラジオセンター制作部 小林 かおり
山梨県立盲学校には卒業式の季節になると、卒業生の数をたずねる電話があり、式に間に合うようにオルゴールが届きます。
この贈りものに名前はなく、誰が送ってくださるのか、44年経った今も、女性の方で今はかなり年配の方でいらっしゃるということしかわかりません。
しかし学校も卒業生も贈り主を探すようなことはせず、ただこの方の健康と幸せを祈り、感謝の気持ちを胸いっぱいにしてオルゴールを受け取っています。
今回は二人の卒業生をたずね、その音色とそれぞれの思いに触れながら、この寄贈のきっかけとなったエピソードをご紹介します。
盲学校の生徒は、生来光を失っている人、成人になってから病や事故で見えなくなった人など、これまでもそしてこれからも、さまざまな道を歩んでいますが、この名前の贈りものは、その温かな音色で卒業生たちに寄り添い、彼らをそっと見守り続けています。