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2013年6月17日 (月)

X年後・・・

「地方の時代」映像祭、という、今年で第33回を迎える歴史ある賞があることを恥ずかしながら初めて知りました。
放送局、テーブルテレビ、自治体や高校生など部門に分かれており、

【地域でなければ見えないもの、地方だからこそ伝えられること】

をテーマにした映像作品が対象となっています。

活動の一環でフォーラムを随時行っており、先週土曜日に開催された上映会のご案内をいただいて
行ってまいりました。

Xnenn

今年度のギャラクシー賞報道活動部門でも大賞を受賞された、南海放送さん制作のドキュメンタリー映画
「放射線を浴びた X年後」

1954年、ビキニ水爆実験での第五福竜丸事件は有名ですよね。
しかしその裏で、1000隻以上のマグロ・カツオ漁船が被ばくし、その3分の1が高知県の船で、
270人以上の被爆者がいることはほとんど知られていません。

28年にも渡りその事実を調査している高知の高校教師・山下正寿さん、そして南海放送さんも
約9年に渡りコツコツ取材を積み重ね、何度も特番を組み追いかけ続けてきました。

2011年東日本大震災による東電福島第一原発事故を受けて放送した特番が全国規模で反響を呼び、
ついに念願の映画化に至ったのです。

時には懇願され拒絶され、時には怒声を浴びながら、高知の被爆者と思われる船の乗組員を訪ねて歩く取材。
被爆者の中で現在生存されている方はほんの数名。
多くの乗組員が平均寿命よりも若い50~60代で癌で亡くなっています。

遺族の方々の中には「もう今さら・・・」という声もある中、ある船の船長さんのご遺族の言葉が胸にズシリと響きます。

『当時被ばくしたことが公になると魚が売れなくなり地域も成り立たなくなる。
今日明日の生活を守ることの方が先にあった。声を上げようものなら船にも乗れない。
いつの時代も弱い者にしわ寄せが来る。いつの時代も』


2年前の原発事故で、「ただちには影響は出ない」という政府の見解を誰もが不安に思い、真実を知りたい、
と思いながら見えない未来を案じたかと思います。
確かに「ただちに影響が出るかどうか」は誰にも分からない。
でも来年で水爆実験から60年。30年40年経って悲しいことに乗組員の死によって着々と証明されようとしています。


山下さんはこう言います。
『こんな巨大な事件が史実から全貌を明らかにされないまま見落とされ埋没することがあってはならない。』

管理人もこの映画を観るまでは、こんな事実を全く知らずに生きてきました。
映画館での上映は終了していますが、各地で自主上映会が行われていますので、
是非一人でも多くの方に知って欲しい、と切に願います。


「X年後」公式サイト →

「X年後」Facebookページ →
この上映会の模様もアップされています。ちゃっかり管理人も後ろ姿が・・・。

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